「今ほどストレスの多い時代はない」
多くの人がそう感じているようです。
たしかに、そう思わせる状況が
私たちのまわりにはあふれていますよね。
でも、少し立ち止まって考えてみると、
じつは私たちは、これまででいちばん
“ストレスの少ない時代”に生きている
かもしれません。
数十年前は、仕事でのパワハラや
長時間労働、学校でのいじめや差別が
当たり前のように存在していました。
しかし、それが問題として
公に取り上げられることはほとんどなく、
被害を受けた人はただ耐えるしかないのが普通でした。
体調が悪くても「気合で治せ」と言われ、
気分が落ち込んでも「甘えるな」と叱られる。
相談できる場所や助けてくれる制度は、
ほとんどなかったのです。
さらに歴史を振り返れば、
人々のストレスはハンパでは
ありませんでした。
江戸時代なら、
火事や飢饉が日常茶飯事。
戦国時代では、
戦に駆り出される不安や、
いつ命を落とすかわからない
恐怖が常にあり、
中世ヨーロッパでは、ペストの流行で
町全体が壊滅することもありました。
そんな時代を生き抜くためには、
体力や知恵だけでなく、心のタフさも
必要だったでしょう。
それと比べて、今は
戦争に駆り出されることはなく、
病気になれば医療を受けることができ、
飢えに怯えることもほとんどありません。
(日本にかぎっての話ですが)
つまり、歴史的に見れば、私たちは
いまだかつてない安全と安心の上に
暮らしているのです。
では、なぜ「ストレスだらけ」だと
感じてしまうのでしょうか?
世の中を見渡せば
「ストレスフリー」を掲げて、
働き方改革やハラスメント防止、
メンタルヘルス支援など、
いろいろな取り組みを始めています。
そして、これらの取り組みや
今まで放置されていたストレスの問題が
ニュースやSNSで取り上げられることも
増えました。
それ自体は良いことなのですが、
もしかすると、そのおかげで
私たちは“ストレス”
以前よりも強く意識するように
なったのかもしれません。
さらに、
一瞬で届く世界中のニュースが
心を疲弊させてしまったり、
誰かのSNS発信にたいして
「あの人は幸せそうなのに、私は…」と
比べてしまい、もともと感じる必要のない
劣等感に囚われてしまったり…。
そうした心のざわつきが、
「ストレスに満ちた社会」という感覚に
いっそう拍車をかけているのでは
ないでしょうか?
人の心には、意識を向ければ向けるほど、
より大きく感じてしまう性質があります。
たとえそれが緩和のためだとしても、
「やっぱり社会はストレスだらけなんだ」
と思い込み、
どんどん膨らんでしまうのです。
それは、いわば"ストレスもどきの亡霊"に
取り憑かれているようなもの。
こうして、
「ストレスの総量は減っているのに、
という現象が起きてしまうのですね。
では、"ストレスもどきの亡霊"に
取り憑かれないためには、
どうすればいいでしょうか?
気をつけたいのは
ストレスそのものより、
ストレスをどう心に反映させるか、
ということです。
同じ出来事でも、ある人は
「ちょっと嫌なことがあったな」で済み、
別の人は深く落ち込んでしまうことが
あります。
ストレスのダメージは、
出来事そのものではなく、
それを自分がどう意味づけるかで
強さが決まる、ということです。
つまり、
外の環境を変えられなくても、
意識の向け方ひとつで心の重さは
大きく変わるのです。
不安なニュースに疲れたら
少し立ち止まり、呼吸を整え、
自分が安心できることだけで
気持ちを充たしてみる、
他人と比べて落ち込むのではなく
自分の小さな成長に目を向けてみる、
など、
心の焦点をほんの少し変えるだけでも、
”ストレス”は徐々に手強い相手では
なくなっていくはずです。
さて、
あなたが今感じているのは
本当にリアルなストレスですか?
それとも"ストレスもどきの亡霊"?
その見分けを心がけるだけでも
心とカラダは過度な緊張から
解放されていくはずです。
心とカラダの専属トレーナーと
一緒にストレスの正体をひもといて、
穏やかでラクな毎日を
過ごせる自分になっていきませんか?