【心の悩みを早期解決】あなたの心の専属トレーナー

マインドセラピーわきやま

ある日、脳科学者の脳が、、!

更新日:

 

「きみって右脳タイプだね
と言われて、

あなたはよろこびますか?

 

それとも
イヤミな皮肉だと受け取りますか?
(私は少しうれしい気がします。時々、左脳タイプに見られてしまうので)

 

右脳と左脳で人のタイプを
分けるのが好きな人が多いですよね。

 

右脳派は、
感覚優先で芸術家肌。
ちょっと天然チック。

 

左脳派は、
きっちりマジメ。
なんでも筋道を立てる人。

というカンジで。

でも実際は
右脳タイプと左脳タイプの区別は、
科学的にはっきりと
検証されていないそうです。

 

それどころか、
右脳か、左脳か、と
考えること自体がナンセンス、
という意見もあるとか。

 

脳のパフォーマンスについての研究は
始まってから20~30年という浅い歴史
なので、
まだまだ知らないことだらけ、
ということなのでしょう。

 

 

ところで、

私は「脳科学」と聞くと、
ちょっと冷たい印象を持っていました。

 

特に「脳科学者」は、
心や感情をたんなる
電気信号の火花みたいにしか見ていない、
ロマンも夢もない人たち、、。

そんな無礼なことを考えていました。

しかし、

ある脳科学者のことを知った時、
そのイメージは打ち砕かれました。

 

その人は、
アメリカ人の脳解剖学者

ジル・ボルト・テイラー博士

 

彼女は「歌う科学者」と
呼ばれていました。

忙しい仕事のかたわら
研究用の脳の献体を増やすため、
「脳バンク」のキャンペーンソングを
自作して全米を遊説するような
精力的な人でした。

 

いっぽう性格面では、
本人いわく
「自己主張がとても強く感情的、だれかに助けてもらうのを極端にきらう性格」で、

「たくさんの怒りと感情的な重荷」
を背負っていたそうです。
(ちょっと扱いづらいタイプかも)

 

しかし、
そんな彼女が遭遇したある体験が、
脳と心の研究に波紋を投げかけることになりました。

 

博士の身に
何が起こったのでしょう。

 

ある日突然、脳が壊れた

 

1996年のある冬の朝、

テイラー博士は目が覚めると、
左の頭の奥に突き刺すような痛みを
感じました。

 

すぐに右腕が麻痺してきて
身体のバランスが保てなくなりました。

 

体験したことのない激痛の中、
自分が脳卒中になったことに気づきます。

 

やっとの思いで職場に
電話をしましたが、

まるでゴールデンレトリバーの
鳴き声のような声しか出ません。

 

同僚があわてて駆けつけて、
さっそく病院に担ぎ込まれました。

 

命は助かりましたが、
脳の左半分は大出血によって水没し、
壊滅的な打撃を受けました。

 

でも右半分は
まったくの無傷でした。

 

その間、
彼女は意識をずっと保っていました。

 

さぞかし悲嘆にくれて、
混乱と恐怖でいっぱいだっただろうと
思うでしょう?

 

なんと、
そうではなかったのです。

 

ひとことで言うと、
彼女は「至福の時」を過ごしていました。

 

激痛が続いているにもかかわらず、です。

 

なぜでしょうか?

それは、
その状況を「大変だ!」と
認識するはずの左脳が
ほとんどストップしていたからです。

 

代わりに右脳の感覚が
彼女を支配していました。

 

その時、身体は
「魔法のツボから解放された
アラビアの精霊」のように、
まるで流体のように感じたそうです。

 

もはや
個体の自分、という感覚がなくなり、
宇宙との一体感と、静寂の境地にいました。

 

テイラー博士はその時、

「右脳は悟り、ニルヴァーナ(涅槃)の世界に
つながっている」と発見したと語っています。

 

とても脳科学者の発言には聞こえませんね。

 

 

再び「歌う科学者」へ戻るために

 

このまま幸せで安らかな
世界の住人でいたい、
という気持ちも強かったそうですが、

ずっとその状態に
とどまるわけにはいきません。

 

その後、手術は無事成功し、
リハビリの毎日が始まりました。

 

彼女の最初のトレーナーは母親でした。

読み書きや喋る能力は
ほとんどなくなり、

その他の能力も幼児レベル以下に
なっていました。

 

「アメリカ合衆国大統領の名前は?」
のクイズも
その質問の意味さえわかりません。

 

靴下とクツのどちらを先に履くのさえ
わからない状態でしたが、

そんな状況でも
お母さんが辛抱つよく付き添ってくれました。

 

中でも、
できないことは考えず、

できたことを喜ぶように
集中させてくれたのが、大きな励みになったそうです。

 

それと
十分な睡眠もよい効果を発揮しました。

 

懸命なリハビリで
順調に回復していきましたが、

 

それでも、
パスタを茹でながら
電話をかけられるようになるには
4年かかり、

 

階段を1段とばしで駆け上がるには
6年かかったそうです。

 

そして、

8年後にしてようやく、
流体にしか感じられなかった身体に
個体の感覚がよみがえりました。

 

そして、ようやく
「やり手」脳科学者として
完全復活できたのです。

 

やはり、
もともとやり遂げるガッツのある人
だったんですね。

 

彼女はこの8年間で
とても貴重な経験と、
脳科学者ならではの気づきを
得ることができました。

 

 

脳科学者が感じた「右脳マインド」

 

テイラー博士は、
この経験で気づいた
右脳と左脳の特徴を
著書に書いています。

 

簡単に
ざっくり紹介しましょう。

 

その前に、
「右脳、左脳」はなにか堅苦しいですね。

 

仮に右脳を「ライトくん」、
左脳を「レフトさん」と呼ぶことにします。

 

まずはライトくんの特徴です。

「今、ここ」がすべて。過去も未来もない。

熱しやすく、跳ね回り、よく微笑んで、やたらとフレンドリー。

すべての存在と結ばれている感覚。

世界はすばらしい、といつも感動している。

平和、愛、歓びを表現している。

うーん。

ライトくんマインド」って
だれもが、そんな風に生きられたらいいなー、
と思うような感じですね。

 

続いて、レフトさんの特徴は、

こまかいスケジュールをこなそうと一生けんめい。

なんでも時間順に並べてファイルするのが得意。

いわば「クソまじめ」。

過去の判例をひっぱり出して

「よいか、悪いか」をジャッジする。

さらに「思考ループ癖」。

ループしやすいのは

「もしも~だったら」

「~ねばならない」

「~なはずだ」

の3大ストーリー。

一度ループにハマると、何度でも繰り返される。

どうでしょう。

 

両者を比べれば、
どちらが歓迎されるかは、
だれの目にも明らかなはず。

 

しかし近頃、
人間社会ではレフトさんの能力ばかりが
もてはやされる感があります。

 

レフトさんの特徴は
私たちを悩ませる要素が
テンコ盛りだというのに。

 

それにたいして、
ライトくん
「順序だって考えられない」だけで
笑いものにされて肩身のせまい
思いをしている、

 

とテイラー博士は嘆きます。

 

しかし、レフトさんも
単に「クソマジメ」なのではありません。

 

ライトくんのひらめきを、
外の世界に表現させるためには、
レフトさんの能力がどうしても必要です。

 

ライトくんはアーティスト

レフトさんは敏腕マネージャー、

みたいなイメージですね。

 

テイラー博士は、
この2つの性質の組み合わせで
人格が成り立っていることを
理解しました。

 

だから
レフトさんも、

ライトくんも、

本来欠かせないキャラクターなのです。

 

そしてもう一つ、
テイラー博士が発見したことがあります。

 

 

思考は選べる

 

それは『思考は選べる』ということです。

 

心理カウンセラーなら
よく使う言葉かもしれませんが、
脳科学者が発見したところが画期的です。

 

それはテイラー博士が
リハビリ中にある感覚に
気づいたのがきっかけでした。

 

それは、

「喜びはからだの中の感覚、平和もからだの中の感覚」

だと気づいたのです。

 

感情と身体の感覚はつながっている、
ということを発見したんですね。

 

そこから、
ある感情が起こっても、

それをつなぎ止めておくか、
すぐに追い出してしまうか、
選ぶ力をだれでも持っていることに
気づいたのです。

 

もともと彼女自身、
脳卒中以前は
「『自分』なんて脳がつくりだした結果に過ぎず、どのように感じ、何を考えるかについては、ほとんど口出しできない」

と思っていました。

 

しかしリハビリをしながら、
右脳の「宇宙との一体感」を
失わないまま、

左脳の「まともな」働きを
復活させることに挑戦しました。

 

そして、
「あたらしいジル・ボルト・テイラー」が
誕生したそうです。

 

ただ、そのためには
左脳の「イやな部分」を
なんとかしなければなりませんでした。

 

それをどうやって?

 

だれもが知りたいですね。

 

テイラー博士も、
この左脳のコントロールによって
「脳を持っている人ならだれでも人生を変えられる!」と書いています。

 

その方法とは、如何なるものか⁉

 

 

続きは次のブログで!

 

参考:「奇跡の脳」ジル・ボルト・テイラー著 竹内薫訳 新潮社