前回は
ワタシの『食』のポリシーを
公開しました。
いかにも
心理セラピストっぽい、
ココロに負担をかけない
ユル〜いポリシーでしたよね。
どれか一つでも
なるほどなぁ、と思えば、
ご自分なりに取り入れてみてくださいね。
さて、
食べものにかかわる
見解はいろいろあれど、
すべての人
(食事制限をされていない方)に
おすすめできる食品が
ひとつだけあります、
という所までが
前回だったわけですが、
さっそくワタシが
万人におすすめできる食品を
ご紹介しましょう。
それは『塩』です。

(すでにタイトルでバラシてますね)
塩だったら
言われなくても使ってるよ、
という感じかもしれませんが、
ワタシがおすすめしたいのは
『自然の塩』です。

塩には
精製塩と自然塩の
2種類があります。
ちなみに
加工食品に使われる塩の
80%は精製塩です。
精製塩とは
イオン交換膜製法で作られたもの。
ムズカしそうな名前だけ聞いても、
それがカラダにいいのか、悪いのか、
わかりませんよね。
この製法だと
とても安く、大量に
純度のものすご〜く高い
塩化ナトリウムが作れます。
そして
今から50年ちょっと前に
「塩業近代化臨時措置法」という、
これまたムズカしい名前の法律ができて、
国以外は
塩を作ってはダメ、
海外からは
塩を輸入してはダメ、
ということが決められました。
専売公社がその当時
採用していたのが
イオン交換膜製法だったので、
当時、
流通している塩の100%が
精製塩になったのです。
なぜ
国がそうしたかは
明らかにされていませんが、
この製法は
広い塩田を必要としないため、
高度経済成長期で、
海岸沿いに工業地帯を作りたくって
しょうがなかった政府の意向が
あったのでは、といわれています。

精製塩を摂りすぎると…
でも
純度の高い塩なんだから、
その方がいいんじゃないの?
安くて沢山作れるし。
と思われるかもしれませんが、
じつは
そうは言えないのです。
その理由の1つに、
人間は
穀物(植物)をたくさん食べるので、
その中に含まれるカリウムを
カラダの外に出さなければ
いけないのですが、
その時に必要になるのが、
塩なのです。
主には
塩化ナトリウム(精製塩の成分)が
それを行いますが、
いっしょにミネラルも摂らないと
カリウムを排泄する働きが
悪くなります。
その塩化ナトリウムと
ミネラルのバランスが
理想的なのが自然の塩です。
いっぽう精製塩は
ミネラルを削ぎ落して作るので
うまく役目を果たせず、
いろいろな不具合を生じさせます。
なので
よくいわれるような、
高血圧の原因は
塩の摂りすぎ、
というのも、じつは間違いで、
正しくは、
高血圧の原因は
精製塩の摂りすぎ
なのです。
人間以外でも、
草食動物はいつも
塩を補給しないと
生きていけません。
(肉食動物は食べた動物の体内から直接とります)

ちなみに
古風な店の玄関に置く
「盛り塩」の謂れは、

昔の中国で、
皇帝が乗った牛車のウシが
塩を見つけて自分の家の前で
停まるように、
玄関に塩を置いた宮女の
故事から来ています。
それほど草食動物は
塩に目がないのです。
塩の歴史は深い
そして、
ヒトの血の成分は
海水とそっくりです。
もともと海の中に住んでいた
ヒトの祖先が
2億年前に陸に上がった時に、
ふるさとの『海』を
体内に取り込みました。
だから血液と海水は
同じ成分でできています。
海水と同じ成分である自然の塩が
わたしたちと相性がよいのも
納得できます。
人間が生命を維持するためには
塩を摂ることが不可欠なので、
昔から塩は貴重品として
扱われました。
そして権力者たちは
民衆を支配する
手段として「塩」を利用しました。
ちなみに世界最古の「専売公社」は
古代ローマにさかのぼるそうです。

日本でも
長野県など、海から離れた土地に
「塩」のつく地名が
並んでいる地域がありますが、
それは貴重品の「塩」を運ぶ
中継地として栄えた名残りだそうです。
塩のゴウモン
あとこんな記録も。
江戸時代、
牢屋に入れられた囚人が
もっとも怖れたのが、
「塩抜き」でした。
頑固に口を割らない囚人の
気力、体力を弱めて
自白させるために、
本人が気づかない間に
食事の塩分を
抜いてしまうのです。
他のどんな拷問よりも
「塩抜き」がいちばん辛いと
云われていて、
「塩抜き」に気づいた囚人は
牢屋の畳や床に染み込んだわずかな
塩分までしゃぶり尽くして、
必死に抵抗しようとしたそうです。
なんとなく、
この「塩抜き」が、
厚生労働省が「減塩」を
呼びかけながら、
塩分摂取量の目標を
毎年引き下げていることに
オーバーラップしてしまうのは
ワタシだけでしょうか?
塩をコントロールして
国民を骨抜きにさせている
ようにも思えてしまうのですが…。
(あくまで個人の所感です。
お上に楯突く気持ちはあっしにはございません)
ちなみに
これを書いている17日は、
厚生労働省が毎月定める
”減塩の日”だそうです。
本物を見抜く目を持とう
だいぶ話が逸れましたが、
精製塩しか口にできない状況に
危機感を持った人たちが
なんとかしようと働きかけ、
ようやく2002年になって、
民間でも自由な製法で
塩を作ることが
できるようになりました。
(ほんの20年前のことです)
今では店頭には
精製塩、自然の塩、
いろいろな種類がならんでいます。
びっくりするほど高価な塩も
出回っています。
でも、必ずしも
そこまでこだわる必要は
ありません。
天日干しでも、釜炊きでも、
昔ながらの製法で作られた
「自然の塩」であればOKです。
価格や、
使いやすさでなく、
キチンと内容を見極めて、
本物の塩を使っていきましょうね。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。