心がつらい時、
一人で抱えていると、感情に押しつぶされそうになります。
でも、だれかに話そうとしても、
「どうせ、わかってくれない」
「自分の悩みに巻き込みたくない」
こんな風に考えて、なかなか打ち明けることができないものです。
あなたが人に気を遣う性格だとしたら、なおさらでしょう。
ただ、
悩みを打ち明けることを、
それほどむずかしく考えなくてもいいのでは?、とも思うのです。
その人が、
慰めてくれなくても、
解決策を知らなくても
かまわないのではないでしょうか。
それよりも、
ただ、聞いてくれて、
秘密を守ってくれる、
この2つができる人であれば、あなたのよい聞き役になってくれるはずです。
もし、そういう人を見つけたら、こう切り出してみるといいでしょう。
「ただ聞くだけで、アドバイスも要らないから、少しの間、話しを聞いてくれませんか?」
すると、その人も「ただ聞くだけでいいんだ」と安心して、聞き役を引き受けてくれる確率が高まります。
話をひたすら聞いてくれる人の存在は、とてもありがたいものです。
逆に、
少し聞いただけで「わかるよ」と言われても、〔あなたに何がわかるの?〕と思ってしまったり、
アドバイスされても、できない自分を責めてしまったり、
相手に期待しすぎると、大抵は失望してしまいます。
それでは、なぜ、
人に聞いてもらうだけで、救われるのでしょうか?
それは、
想いを話すことで、
解決に向けての気づきが、心の中から呼び覚まされるからです。
たとえば、
机にかじりついている時よりも、だれかと気楽に話している時の方が、
アイディアがひらめいたり、
別の視点に気づくことはありませんか?
この効果は、もともと生物学の分野で確認されています。
「オートクライン効果」といって、
私たちの体の中の細胞同志はいつも情報をやり取りしているのですが、
伝えたい情報を送る時、送る細胞は分泌物質を放出し、受け取る細胞は受容器でそれを受け取ります。
そして情報を送る時に、放出した細胞自身も自分の受容器でその分泌物質を受け取って、自分にも作用を及ぼして変化する、というしくみがあるそうです。
これと同じ効果が人と人とのコミュニケーションにも起こります。
人に向かって情報を発信すると、それによって自分にもよい作用が生まれるわけです。
もし、
聞いてくれる人がいない時でも、この効果を感じることができます。
たとえば、
自分の気持ちを声に出してみてください。
その声を耳から聞くだけでも、気持ちが整理されたり、落ち着くことができます。
自分の気持ちにぴったりくる歌詞の曲を口ずさんでいる時などは、
自分に歌を聞かせて慰めているのかもしれません。
お気に入りのぬいぐるみと話す習慣がある人も、この効果を無意識にわかっているのかもしれませんね。
ただ、
やはり人に向かって話すことが、もっとも「オートクライン効果」を高めます。
話を聴いてくれる人の存在は、とても心強いものです。
そんな人が近くにいる人は幸せですね。
あなたも周囲を探してみると、意外と近くにそんな人がいるかもしれませんよ。
セラピストも、
あなたにお会いして、お話しを聴くことを楽しみにしています。
(解決策はいくつかご用意しますけど、、、)