伊予路を行く⑨ 〔知っていますか?『伊予ターン』

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(54番 延命寺 ⇒ 59番 国分寺)

曇り模様。今日は夜になってから天気が崩れやすいという。

 

宿には他に泊まり客はいなかった。

 

6時50分出発。

祭りの準備が整った街の中を歩く。

 

 

国道に出て、車の通りが激しい中を、歩く。もうこの交通量の多さにも慣れてきた。

 

 

この辺の小学生は、上級生が先頭になって旗を持ち、集団登校しているようだ。

所々でお母さんたちが旗を持って待っている。少し面倒くさそうにしていた。

 

瀬戸内海側は、溜池が本当に多い。特にお寺のそばには沢山ある。

 

 

7時40分、

●五十四番札所 延命寺に到着。

ご本尊は不動明王。

ご本尊が不動明王のお寺も八十八ヶ所ではあまり多くない。

参拝者は、他に誰もいなかった。

 

延命寺から5分ほどの小高い丘を歩いている時、遥か遠くから船の汽笛が聞こえた。

今朝、出てきた宿の方から聞こえているのだろうか。

 

墓地の真ん中を遍路道が通っている。

 

これから今治の市街地に入っていく。

 

まず、五十五番札所の前に、隣にある、

別宮大山祇神社に参拝する。

実は、江戸時代まではここが五十五番札所だった。

今の五十五番札所と、小さな道を挟んで隣合わせになっている。

 

社務所の方に聞くと、もともとここは大三島の大山祇神社の遙拝所だった。

もともとは瀬戸内海に浮かぶ大三島に渡ってお参りしていたらしい。

今の札所である南光坊は、大山祇神社を守護するために建てられた8つのお寺のうちの一つで、宗曽我部氏に兵火で焼かれた後、8つのうち一つだけ再興されたそうだ。

明治の神仏分離令が出てから、大山祇神社に代わって札所となり、現在に至っているとのこと。

 

ここでも、空海は神を奉じていた。

その後、

 

●今の五十五番札所 南光坊を参拝。

 

本尊は大通智勝如来。

勉強不足で、このご本尊について聞いたことがなかったのでお寺の方にお聞きすると、これに詳しく書いてあると南光坊発行の暦をいただいた。いい文章も書いてあるよ、と照れながらおっしゃっていたので、もしかしたら、この方が書いたのかもしれない。

後で読んでみると、南光坊の略縁起が書いてあった。

(編注:あとで調べたところ、大通智勝如来は如来になる前は王様で、過去世のお釈迦様の父親だった方だそう。ちなみに過去世のお釈迦様は16人王子の末っ子だったそうだ。)

 

今治市街地を移動する。

第二次大戦で空襲にあったらしく、その後の復興されて、道幅が広く、整然とした街並みが並んでいる。

 

今治駅前に出る。

 

遍路道の通っている側は比較的静かだ。駅の反対側の方が繁華街になっている。

 

途中で、白衣、白ズボン、白い靴、菅笠、杖、と完璧なお遍路装束に身を包んだ白人男性が追い抜いていった。

杖の先のささくれと減り具合からして、相当の距離を廻っている感じだ。

後で、追いついたら話を聞いてみよう。

 

細い道を車がビュンビュン走る通りを抜け、ようやく田舎の風景に戻る。

 

●五十六番札所 泰山寺に到着。

 

ご本尊は地蔵菩薩。

空海がこの地方の災害を鎮めるため、護摩秘法を修せられたと伝えられている。

 

先ほどの白人男性が本堂でお経を唱えていた。お経唱えている外国人ははじめて見た。

こちらのお参りとすれ違って、いつの間にかいなくなっていた。

 

次に五十八番札所を目指す。

今日は参拝するお寺が多い。

 

 

川沿いに出て、しばらく歩く。

五十七番札所は、江戸時代まで近くの石清水八幡宮が札所だったと云う。

まずはじめに、今の札所 永福寺がある山上の石清水八幡宮に向かうことにする。

急な階段を上っていく。

 

 

この階段は序の口で、もっと長い階段を昇った後、

●山の頂上に石清水八幡宮はあった。

京都の岩清水八幡宮から勧請した八幡宮。

やはり、空海はここでも神を礼拝の対象にされていた。神、仏とも、尊い存在であれば等しく崇める、それが本当の聖者の感性というものだろう。

4月22日に例大祭があったようだ。

 

境内からは今治市内を一望できた。神様からのご褒美かもしれない。

 

続いて、現在の五十七番札所、

 

●五十七番札所 栄福寺に参拝。

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ご本尊は阿弥陀如来。

阿弥陀如来は八幡神の本地仏とされている。

 

こじんまりとして親しみやすい雰囲気のお寺だった。

納経所の僧侶の方が、時々区切りで遍路を廻っているらしい。

その方によると、愛媛の人はせっかちだそうだ。なんでも、月賦支払い(ローン)の発祥は伊予の国、だとか。

車の運転のカーブの曲り方も、「伊予ターン」と言って、早くハンドルを切る癖があるそうだ。どおりで車が飛ばしているな、と感じることが多かった。

 

寺下のうどん屋さんで昼食をとる。

その後、今日一番標高の高い五十八番札所へ向かう。

途中、標識を見失い、自動車用の標識を頼りに山道を登る。湿気が高く、汗がどんどん流れてくる。こういう日は体力の消耗が早い。

 

山門が見えた。

くぐってみると、まだまだ何百段もの階段が続き、かなり上がるようだ。

 

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長い参道を登りきったお寺の上は、意外とこじんまりとした感じだった。

 

●五十八番札所 仙遊寺に到着。

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ご本尊は十一面観音。

ひっそりとした雰囲気のお寺だ。

 

ここは宿坊があり天然温泉に入れる。

宿坊は結構近代的な建物で、お金をかけている感じ。

今日の夜、この宿坊に泊まって温泉でゆっくりすると言う手もあったが、もう今日の宿を予約してしまっているので先に急ぐ。

 

参道の途中、弘法大師ゆかりの霊水があった。

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五十九番 国分寺への道は久々の山道を歩く。

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森の中の小さな沼。

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ふと足を止めると、水面の下から大きな魚が息継ぎをしに上がってきた。

 

林の落ち葉の中にからはこそこそと何かうごめいた。小さな蛇のようだ。

 

道路に出ると、原付のスーパーカブに乗った、お遍路の白衣を羽織った2人組が走っていった。

これはまるで、あの「水曜どうでしょう」と一緒ではないか。

 

「水曜どうでしょう」(第一日目4月17日のブログで紹介済み)では、東京~高知間や西日本、東日本縦断などを原付バイクで走る旅を放映していた。

お遍路の回の時は、車で廻っていたが、水曜どうでしょうファンにしてみれば、その2つが融合した形で、すぐにピンとくる光景だった。

ただの偶然の一致、ということがあるだろうか?

(水曜どうでしょうをご存知ない方は、検索して調べてください)

 

 

途中、床屋さんが3軒固まっている場所を発見。(奥の一軒は赤青白のサインはない)

 

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それぞれ独立して経営しているように見えるが、どうやって共存しているのか、通りすがりながら心配になった。

 

途中、墓地の横を通った。

四国は曽我部家のお墓がとても多い、と感じる。

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少々急ぎ足で、

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●五十九番札所 国分寺に到着。

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幹線道路からすぐの所に鎮座されていた。ご本尊は薬師瑠璃光如来。

 

境内で、足摺で再会した茨城のソーラーパネルの彼にまた会った。

今日は近くのクアハウスで温泉に入るという。またどこかで会うことになるでしょう、と言って別れた。

 

参拝が終わると、朝から何度もすれ違っている外国人の男性がいて話した。

フランスから今回、初めて日本に来たそうだ。

2カ月間、札幌でウォーキングビザを使って働き、その後四国に来たそう。

特に仏教を信仰しているわけではないが、ローマ字表記で書いているお経をすべてのお寺で読んでいるそうだ。

お遍路が終わったら、京都で日本語を勉強するそうだ。野宿と民宿、半々で泊まっているそう。

ヨーロッパでも、スペイン北西部まで歩く有名な巡礼の旅があるが、それをあちらでやって、四国でもやろうと思ったようだ。(英語の理解が正しければ)

初めての日本で、いきなりお遍路を歩くというのは、たいしたチャレンジスピリットだ。

表情とあごひげの感じからして、まるでイエス・キリストがお遍路してるような錯覚にとらわれる。

もっとも、我々が想像するイエス・キリストのイメージは白人男性だが、本当はイエスは中東生まれのユダヤ人のはずなので、白人系ではないのは明白だ。

イメージとはいいかげんなものだ。

 

今日の宿を予約した時、電話口のおばあちゃんが、うちは5時までに入ってくれないと困ると言われたので、2時間足らずで10キロ歩けるかどうかわからないが、急ぐ。

幅広い幹線道路だが、時折、急に歩道がなくなり、大型トラックが走り抜ける横を細くなりながら歩く時もあった。

 

湿気があるのでやはり急ぐと疲れが早くなる。

 

西条市に入った。

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ここから西条市街が見えるはずだが、視界が悪く、あまり見えなかった。

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午後5時20分、今日の宿に到着。

宿には、ドイツから来た高齢の男性が1人泊まっていた。一緒に夕食を食べる。

奥さんが日本人とのこと。ケルンに住んでいる。

四国遍路へは、区切りで何回も来ているそうだ。

 

夜、ものすごい雨と雷が鳴っていた。

 

明日の横峰寺への道は大丈夫だろうか。

 

あなたとお会いできることを楽しみにしています。

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