あなたも予知力を持っている

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あのシーン、やってみたことあります?

 

豪華客船タイタニックの舳先、両腕をいっぱいにひろげて立つ、ジャックとローズ。

若い二人を夕陽が照らしている。

 

「もういいよ。目を開けて」

「私、飛んでるわ、ジャック」

 

あまりにも有名なこのシーン。あなたもマネしたこと、ありませんか?

 

1997年に大ヒットした映画「タイタニック」

その年のアカデミー賞を総なめ、史上最高興行収入で、長い間ギネスブックに載っていました。

日本でも1年以上の間ロングラン上映されました。

 

 

でも、この2人の恋人たちは架空の人物。

1912年、実際にあった当時世界最大の客船「タイタニック号」の沈没事故が、映画の舞台になっています。

千五百人余りの犠牲者を出した大事故でしたが、80年後にはロマンチックなラブストーリーとして、世界中の人々が鑑賞するんですから、世の中わからないものです。

 

ところで、このタイタニック号の沈没が、たくさんの人によって『予知』されていた、ということ、ご存知でしたか?

 

沈没の14年前に「予知」小説が!

 

アメリカの小説家、モーガン・ロバートソン。

元船乗りの彼は、1898年に「愚行」という小説を出版しました。

ストーリーは、世界最大の豪華客船「タイタン号」が沈没する、というもの。

なんと、船の名前、サイズ、設備をはじめ、氷山との衝突、事故が4月の真夜中近く(実際の事故は23時40分)に起こること、など、内容が酷似していたのです。

出版当時、14年後にタイタニック号が建造されるのは、だれにも知られていませんでした。

もっとも、ロバートソン氏も「予知」した自覚はなく、創作のつもりで書いたようです。

タイタニック号の事故が起こって、ビックリしたのは、当の作者。

あわててタイトルを「タイタンの遭難または愚行」と変えて、「予言」小説として再出版したそうです。

 

これだけではありません。

タイタニック号の処女航海は、世界中のセレブのあこがれで、申込が殺到しました。

しかし、乗船キップを手に入れたうち、55名が直前に乗船をキャンセルしていたそうです。

キャンセルの理由は皆、「不吉な予感」。

また、3人の船員が、出港間もなく無断で下船しました。

後のインタビューで彼らは「第六感」を感じて、船から逃げ出した、と語ったそうです。

 

予知の研究者によると、この事故を漠然でも、明確にでも「予知」した人は1500~2000人はいたそうです。

超心理学研究で有名なバージニア大学教授イアン・スティーブンソン氏は、その中から少なくとも12例は、正確な予知現象として立証できる事例だとして発表しています。

 

予知とか、透視とかの超能力を持つ人は、時々メディアで紹介されたりしますね。(娯楽っぽい番組ですが)

 

しかし、それが、2000人規模で起こるとは!

人類はわずか百年前まで、こんなにも「第六感」が優れていた、ということでしょうか?

 

この現象、「集団予知」と呼ばれています。

「集団予知」は歴史的な出来事の前に、数多く報告されているそうです。

興味津々ですが、キリがなくなりますので、このくらいにしましょう。

 

でも、もう一杯だけ、、、いや、ちがう、、、もう一例だけ、予知に関する人物を紹介したいと思います。

 

「壁の崩壊」を予言した男

その名は「インゴ・スワン」

アメリカの、いえ世界中でも、超能力の第一人者と呼ばれています。(2013年に逝去)

彼の能力は少年の時から開花し、そのすごさに、アメリカ政府、CIA、アメリカ空軍、そして国連も着目。米国家プロジェクトだった超能力軍事利用計画に参加、CIAにおいて数多くの超能力者を養成、スタンフォード大学では彼の能力をサンプルに超能力の研究が行われるなど、文字通り、国家公認のエスパーです。
(この分野ですすんでいるロシアに対抗する事情もあったのでしょう)

 

彼のエピソードは山のようにありますが、一つだけ。

西ドイツの田舎町で講演を行った時のこと。

彼の評判を聞いていた聴衆は、檀上のスワン氏に向かって「予知して」といきなりリクエスト。

そんなこと「聞いてないよ~」状態でしたが、そこは餅は餅屋、いきなりひらめいたそうです。

それを壇上から、

「18から20ヶ月後に、ベルリンの壁は崩壊するでしょう」と、自分でも気が付かぬうちに、そのまま口にしてしまったのです。

 

西ドイツの聴衆は狂喜乱舞。

本人は「あちゃ~」でした。

 

そして、はからずも、そのちょうど19か月後に、ベルリンの壁が崩壊しました。

それは、どの国の諜報機関もが驚嘆するほどの、予期外のできごとでした。

  

 

彼はその模様を、ポテチをほおばりつつテレビを見ながら、「生涯最高の報酬、予知能力者の醍醐味に酔った」そうです。

 

ドーナツの穴ほども見えていない

スワン氏によると、

タイタニック号の時のような「集団予知」が起こる場合、予知の内容は「特別な超能力者」よりも、はるかに正確になるそうです。

その事実から、彼は、

「未来予知は、私たちの好むと好まざるにかかわらず、未来は自らを予示する」

「その予示は個人だけでなく、共同体を通して人間の意識に漏れ出す」

という2つの見解を語っています。

 

うーん。漢字が多いだけに、内容も深い、、。

 

ようするに、

「なにかの拍子でピタッとはまれば、未来のほうからのメッセージを送っていることに気づく。だれにでもその力はある」
ということでしょうか。

 

また、こうも言っています。

「現代社会は未来予知現象を受け入れない。このこと自体が未来予知自体の機会を減らしている(要約)」

「大きな可能性を否定する場合は機能不全の方向に向かい、反対に積極的に肯定すれば機能が向上する」

 

便利な世の中になったから、なんとなく、ワレワレ人類は進歩している、と思いがちですが、実際はとんでもない。

 

スワン氏は、現代人の「予知」能力が実感できるよう、ノートとペンを使って図形を描いてみて、とすすめています。

・大きな円を描き、その中にも、小さな円を描く
・小さな円の中は塗らず、その周りの大きな円の部分を塗りつぶす

この黒い部分が人間の能力のすべて、白い小さな円は今目覚めている能力、だそうです。

自分で書いてみると、なるほど、と実感できますので、やってみてください。

 

どうやら、人類史上、今がいちばん、ひ弱で、ぼーっとしている、のは間違いなさそうですね。

 

だとすると、

チコちゃんに「ぼ~っと生きてんじゃねえよ!」と言われて、

へらへら笑っている場合ではない、かもしれません。

 

うーん。「笑ってる場合ですよ」の時代がなつかしい。(知ってる人いる?)

 

おわり

(参考資料:三交社「ノストラダムス・ファクター」インゴスワン著 秋山真人監訳)

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