親子関係は人間関係のベースです。
だからこそ
親子関係って奥が深いです。
単に利害関係や、
どちらが正しいかでは割りきれませんし、
親子の悩みのパターンは、
それこそ親子の数だけあります。
なので
理想的な親子関係とは、
というのも一括りには言いきれません。
ただ、
親と子どもの関係の中で
大事だな、と思うポイントが一つあります。
それは、
「親のことを正しく失望させる」
ということです。
ちいさな子どもにとって、
親は絶対的な存在です。
親無しでは
子どもは生きていけません。
それが
だんだん大きくなるにつれ、
小さな頃は何をやっても喜んでくれた親が、
ろくにかまってくれなくなったり、
外の世界が見えてきて、
親よりすごい人がいることが気づいて、
親の姿に、おやっと思い始めます。
(シャレではありません)
すると、
「なんだ、親ってそれほどたいしたことないじゃん」と失望の気持ちが出てきます。
そこから
「親がすべて」の状態から離れて、
「自分」を作り始めるようになります。
親への失望は
子どもがオトナになるための第一歩なんです。
だからこそ、
きれいに失望させてあげる
ことが大切です。
しかし、
親の過干渉などが邪魔をして
自分作りがうまくいかないと、
大人になってから
正体のわからない生きづらさや無気力感に
憑りつかれることがあったり、
親に対する憎しみを
持ったままとか、
愛情を充分に受けられず
物足りなさを残したまま
自分作りをすると、
親に対する強いコンプレックスを
意識の根底に根づかせることになります。
それくらい、
親に失望する時の想いは
子どもの人格形成に大きな影響を残します。
大ざっぱかもしれませんが、
甘やかしも、
過干渉も、
きびしいしつけも、
一言でいえば
「子どもを失望させまい」という
親心から来るのかもしれません。
子どもに失敗や試行錯誤を
経験させたくないあまり、
親ががんばって、先回りをしすぎる。
子どもの問題で悩む人を見ていると
そんな傾向があるように思います。
あなたに子供がいなくても、
あなたが親に失望し始めた頃を
振り返ってみてほしいんです。
もし、
自分でもなぜだかはっきりしない
生きづらさや無気力感、
親へのコンプレックスを抱えているなら、
なにか思いあたる所が
あるのではないでしょうか?
親への失望の想いの気づきは、
そこから先の人生の選択権を
自分に取り戻すきっかけにもなります。
子どもが親に失望するのは、
健全な成長のステップです。
本当はお赤飯を炊いて
お祝いしてもいいくらいです。
だからこそ、
親は寂しくても、
子どもが失望するのを、
だまって見守るぐらいがいいんですね。
子どもにとって
本当にありがたい親とは、
良い加減に「いいかげん」な親
なのかもしれませんね。