あなたは普段、
ポジティブ思考と
ネガティブ思考、
どちらが多いでしょうか？
よく
こんな譬え話を耳にします。
水が半分入っている
コップを見て、
「半分も入ってる！」
と思えば
ポジティブなアイディアが
生まれやすくなり、
「半分しか入ってない」
と思えば
ネガティブな思考に
囚われやすくなる…。
目の前の現実を
どう受け止めるかで、
幸せの感じ方も
大きく変わってきます。
でも、
いつもポジティブで
いる方が良いとわかっていても、
ついつい出てくるのが
ネガティブ思考です。
なぜそうなって
しまうかというと、
もともと
ネガティブな思考は
リスクや悪いケースを予想して
危険を避けるために
必要なものだからです。
このネガティブ思考は
私たちのご先祖様が
何百万年もかけて
身につけてきました。
ネガティブに考えることで
人間はより賢くなり、
生き残れてこれた、というワケです。
だから
ネガティブ思考そのものは
ワルモノではありません。
ただ、現代人は
余計なことまでも
ネガティブに考えてしまい、
心のバランスを偏らせてしまうから、
ネガティブ思考が
ワルモノ扱いされるのです。
もともと
身を守ったり
危険を回避するのが
ネガティブ思考の役目ですから、
身の危険を感じることが
比較的少ない現代では、
ネガティブ思考の出番は
もっと少なくなるはずです。
だとすると、
私たちのネガティブ思考を
余計にかき立てているものは
何なのでしょうか？
考えるに、
それは
「不足感」なのかもしれません。
あの人と比べて
私は劣っている、
まだ足りない、
もっと手に入れなきゃ、
こんなことしている
場合じゃない！
どの考えも根底にあるのは、
現状が満ち足りていない
という気持。
「足りない」感覚を感じるほど
ネガティブ思考は強まります。
人間は
原始時代からずっと
「足りない」状態を
生きてきましたが、
それを
集団で協力し合いながら、
「分かち合い」で
克服してきました。
でも、
文明が発達するにつれ、
この「足りない」状態を
克服する手段に
変化が起こり始めました。
「分かち合い」から
「うばい合い」に代わっていったのです。
戦争などは
その最たる例です。
今も力づくで領土を
奪い取ろうとする行いが
世界のどこかで
繰り返されています。
歴史上、一番モノが
豊富にあふれている時代なのに
（少なくとも日本は）、
私たちの意識の中では
「分かち合い」よりも
「うばい合い」の感覚が強調されて、
欲や競争心があおられている
ように感じます。
さらに
それに拍車をかけるのが
「情報」の洪水です。
私たちの眼や耳には
いつも、
必要・不要にかかわらず、
膨大な量の情報が
飛び込んできています。
世界中で起こる
ネガティブなニュースは
もちろん、
消費意欲をあおって
「不足感」を
かき立てるような広告宣伝に
毎日、毎秒さらされています。
それらが
知らぬ間に、
「足りないぞ！奪い合って身を守れ！」
という暗示を私たちに
植え付けているように
思えてしまうのです。
マジメな人ほど
ネガティブ思考は
自分の心が弱いせい、と
思いがちですが、
それはけっして
自分だけの問題ではなく、
そんな社会からの影響も
少なくないはずです。
考えてみれば
そもそも、
コップの水が
「半分しか入っていない」
と感じても、
それが必ずしも
ネガティブ思考とは限りません。
スペースが空いているということは
新たなものを受け入れる余地がある、
ともいえるのです。
だれもがめいっぱい
抱え込もうとしている中で、
その空いたスペースがうらやましい、
と感じる人もいるはずです。
考え方のちがいで
「足りない状態」は
「豊かな状態」にもなります。
「豊かな状態」を感じていれば、
必要以上にネガティブになることは
少なくなるでしょう。
さて、
あなたは今、
満ち足りていますか？
と訊かれたら、
直感でどう感じますか？
そしてその答えは
本当に、本当ですか？
もう一度、
ご自分の状況を
見つめ直してみると、
追い求めていたのとは違う、
別の豊かさを発見できる
かもしれません。
そうすれば
ネガティブ思考とも
良い関係でつきあえるように
なるはずですよ。
