阿波路を行く⑧ 〔お大師様とツーショット〕

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〈21番 鶴林寺 ⇒ 23番 平等寺)

厚い雲が出ている。朝から一日、雨の予報だ。

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6時8分出発。歩き始める。
今日は二十番 鶴林寺、二十一番太龍寺に参拝し、二十二番平等寺の近くの宿まで行く予定だ。

山を3つ超えることになる。阿波の国最後の山越えとなる。

 

今日行く予定の二十一番太龍寺は、今回のお遍路旅の中で、最も行きたい所だ。

太龍寺の近くに、南舎心ヶ嶽という場所がある。弘法大師はここで、人を頭脳明晰・博覧強記にする「求聞持法」を修行されて成就し、文字通りの天才となった、とされる場所だ。

弘法大師の事績を辿ると偉業や奇蹟の多さに驚かされる。中でも、この南舎心ヶ嶽で求聞持法を成就したことは、その後の弘法大師の活躍に大きく影響を及ぼしていると考えられる。

 

弘法大師の修行された足跡をたどっていきたい自分にとって、一番興味の湧く場所でもある。

その場所に立つことで、弘法大師の内的世界の一端が少しでも感じられたら、と思う。

 

できれば南舎心ヶ嶽で時間を多く取りたいので、今日はいつもより1時間早く宿を出た。

そうしないと、到着が遅くなってしまう恐れがあるので。

朝のうちから、かなり湿気が高いようだ。

突然、道の真ん中に巨大なミミズが横たわっていた。

 

途中の水呑み大師に到着。まだ、歩き始めて30分だが、湿気が多いと早く体力を消耗するようだ。

 

鶴林寺への標識は、100メートルごとに細かく表示されている。

ゼイゼイと登っている身には、ありがたいような、ちょっとうるさいような。

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通常ルートの札所巡りの道は、どことなく安心して歩ける感じがする。人がたくさん通って、道が均されている感じがある。

 

人の多い通常ルートと、人のあまり行かない番外・別格ルート、どちらが自分に似合っているんだろう、などと、道のことを、つい自分の生き方に照らし合わせて考えてしまったりする。

山道を登っている間は、十二番焼山寺のつらい山越えのことを思い出していた。

一つ、焼山寺越えをして気がついた教訓があった。

それは、「山は早いうちに越えておけ」だ。

焼山寺の経験があれば、その後の山越えも落ち着いて余裕を持って臨むことができる。

体力的にもそうだが、精神的にも辛い経験は後で役に立つ。

だれかにお遍路旅で学んだものは?という質問をされた時には、この言葉を用意しておこう。

 

●二十番 鶴林寺に到着

7時過ぎに鶴林寺に到着。山の中の境内はまだ誰もいなかった。厳粛な雰囲気。

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手水舎で手を洗い、本堂へ向かおうとすると、雨が降り出した。

参拝した後、納経所の方に聞いたら、雨が降ると霧が出て見通しが悪くなるが、幻想的な風景も見られるとのこと。

今日は大雨の予報が出ているので、早めに行った方が良いようだ。

 

納経所の方に、がんばって、と飴をいただき、二十一番 太龍寺を目指す。7時50分出発。

しばらく歩いているうちに雨はやんだ。そのかわり、風が強くなってきた。

誰も通らない遍路道で、山の木々がざわめく。

那賀川を越える。大きな川幅で水の流れも速い。

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太龍寺まで、あと2キロ余りの沢のほとりで小休止。沢の水で顔を洗う。もちろん、足はアーシング。

 

太龍寺の近く。昔からの石畳が残っている。

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太龍寺の直前まで近づいた時に、遠くでキツツキが鳴いているのが聞こえた。

 

●二十一番 太龍寺に到着

太龍寺は素晴らしかった。

大杉が聳え立ち、荘厳な本堂、大師堂。まさに「西の高野山」と呼ばれるにふさわしい感じだ。

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自動車で来た団体参拝を避けて、1人になってから参拝、勤行する。

つい先を急いでしまう札所巡りの中でも、ずっと境内に留まりたいと思わせるようなお寺だった。

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納経所で、南舎心ヶ嶽の場所を聞いたら、遍路道沿いにあるとの事だったので、簡単に昼食を済ませ、向かう。

 

途中、木の上に、突如黄色い大きな物体が現れたと思ったら、ロープウェイの車体が横切っていった。

 

●南舎心ヶ嶽に到着

南舎心ヶ嶽には、大師像が印を組んで、谷底を眺めながら坐していらっしゃった。

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弘法大師は、この場所で求聞持法を体得された。

鎖を使ってよじ登り、大師像の近くまで行って勤行をさせていただく。

お大師様が見下す20メートルほど前方に谷の突端に突き出た一枚岩がある。

そこが一番の瞑想ポイントのようだ。

 

岩をつたって、そこまでたどり着く。

谷に向かって少し傾斜がかかり、半跏趺坐(瞑想の際の座り方)をするにはちょうど良い。
実は求聞持法を現代的にアレンジした瞑想法の伝法を昔に受けたことがあり、未だ天才にはなっていないが、密かに毎日練習だけは続けている。
その瞑想を、ここでやらなければどこでやる、と言う感じで、突端の一枚岩に坐らせていただいた。

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谷から押し寄せるおおらかなバイブレーションを含んだ気が心地よい。

宗教的な恍惚感とはほど遠いが、あまりの気持ちよさに、途中、パラパラと雨が降るのも厭わずに、濡れながら瞑想を続けた。

少しまどろんだ時もあったようだ。

本当に眠って前のめりに倒れてしまうと、そこから谷底へ真っ逆さまと言うことにもなりかねないので、意識を維持して続けた。

 

30分ぐらい座っていただろうか。

いつまでも去り難く、このまま、目の前の空へ溶け込んで行きたい心境になった。

そんな心の動きを、お大師様の像は後からじっと見守ってくださっていた。

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しばらく続けると、すぐ近くで、鳥がさえずった。

ずっと動かずに瞑想していたので、人間がここにいる気配に気付かなかったのかもしれない。

 

瞑想が終わりかけた頃、谷底から強い風が吹き上げてきた。エネルギーに満ちている風と表現するのがいいか、何か力をぐんぐんと体に注入してもらっているような感覚だ。

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お大師様と記念撮影させていただく。

南舎心ヶ嶽での瞑想が終わり、また歩き始める。しばらくは、なぜか放心状態のようになってきた。

聖跡が放つ気に浸っていたからなのか、夢心地から現実の世界に戻された感じで、しばらくは心地よい脱力感に包まれた。

太龍寺から下っていく

里へ下りる道は崖くずれ、倒木などがあり、かなりの悪路になっていた。ロープを伝わなければ、通れない場所もいくつかあった。

途中、また風が吹きはじめた。

これでもかというほどの急な下り坂を苦労して1時間半ほど歩く。

しばらくすすむと、谷の中に入り、風は止んだ。
頭上に木が茂っていない所に出ると、笠にパラパラと雨が当たる。
山の中では木々が雨に濡れないように守ってくれていることに気がついた。

傾斜が緩やかになって開けた場所になると、細かい雨が風とともに打ちつけてきた。

初めて、ポンチョを着て歩く。

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3番目の山を越える。

暑くなってきたのでポンチョを脱ぐ。

 

大根峠は風の通り道だった。

竹林を通り過ぎた。

風が吹く竹林は竹同士の触れ合う音が騒々しい。大勢でチャンバラをやっているような音にも聞こえる。

平地に降りると、いっきょに雨と風が強まった。急いでまた、ポンチョを着る。

 

雨の中を歩いていると、向こうから雨具に身を包んだ男性がやってきた。

よく見ると昨夜の宿で一緒だったアメリカ人男性の一人、フィッシャーさんだ。

バスでこの近くまで来て、パートナーの方と会おうとしている。

彼を見たかい、と聞かれたが、会わなかった、と答えた。

今日の宿も一緒の場所のようなので、また後で、と別れた。

一羽の白い鳥が、歩く方向の先へ先へと飛んでは立ち止まって、を繰り返しながら案内してくれた。

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平等寺に近づいた頃、横を通り過ぎた軽トラックの運転手が、窓を開け、

「がんばりいや。平等寺はあっちや、もう少しや」と言って、缶コーヒーを渡してくれた。

キンキンに冷えていたので、渡すために買ってくれたのか、飲もうと思って買ってくれた所だったのか、ご厚意に感謝した。

●二十二番 平等寺へ到着

午後4時すぎに平等寺へ着いたので、今日のうちに参拝することに。

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本堂のご本尊様から渡された糸が山門まで伸びていた。

40名の団体とかち合って、雨の中、堂の軒下からこぼれるように参拝。

平等寺の隣にある宿に午後4時半頃入る。

泊まりは昨日と同じメンバーの徳島のご夫婦2人、アメリカの年配男性2人、それに大雨の中、遅めに到着した、ニューヨークから来た女性の5人。

夕食は、英語の勉強大会となった。
ろくに英語も話せない自分が、トランスレーター役となって会話の橋渡し。

私の英語力の一例

ニューヨークの女性は、納豆とヨガを作るマシンを持っていて、毎日作って食べていると言う。

納豆とヨガ? 何度もよくよく聞き返したら、ヨガでなく、ヨーグルトだった。(笑)

 

アメリカ人男性二人は明日も二十三番近くで、自分と同じ宿を予約した。二人はフロリダから来ているとのことだった。

徳島のご夫婦はご主人が退職されて、以前から行きたかったお遍路を実行していると言う。

山道では、奥さんの方が脚力があって、ぐんぐん先に行ってしまったそうだ。

そういえば四国に住んでいる人が遍路を廻っているのは意外に少ないように思えるが、どうだろうか。

 

夕食はとても豪華で、洗濯はお接待として無料、親切でとてもよい宿だった。

 

あなたとお会いできることを楽しみにしています。

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