土佐路を行く⑪ 〔うどんをとるか?おにぎりをとるか?〕

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(続 土佐湾を歩く)

朝からよく降っている。眺めていたら突然、雷鳴が遠くで轟いた。

空の上では、空気が大きく動いているようだ。

天気予報でも、これから西日本を中心に雨が激しくなり、天気が荒れると云っている。

朝のローカルニュースで、高知県への移住者が過去最高の数になったと言っていた。

年間1,000人以上いるとのこと。

豊かな自然を求めて都会から移ってくる人が多いのではないだろうか。土佐に惹かれるのもわかるような気がする。
昨夜は、サーフィンをやりに来た2家族も泊まっていた。

コースを眺めるレストランで朝食をとる。

 

お遍路とゴルフの共通点は何かあるだろうか?と考えた。

ゴルフの魅力は広い緑の中で、のびのびと体動かす、解き放たれた開放感か?

一方、お遍路も四国の壮大な自然の中で、野山をどこまでも歩いて行く時、自然との一体感を感じる。

その時の喜びは、ゴルフの開放感ともしかしたらつながるのかもしれない。あくまでこじ付けだが。

お遍路の泊り客は自分一人かと思っていたが、素泊まりの人がいたらしい。

道の駅まで送りの車で一緒になった。Iさんという女性。

若い方だが、野宿を中心にして、いろいろと寄り道しながら廻っているそうだ。

 

4月2日に一番札所から始めて、もう一か月以上になるそう。いろんな人の出会いが楽しくて、旅を続けていると言っていた。

こちらも空海の修行の場を中心に、寄り道をしながら廻っていると言ったが、正直、このIさんくらいのペースでゆったりと廻れたらいいな、と思った。

 

時間にとらわれないIさんを見習いたいが、どうしても今までの心癖が治らず、先を急いでしまう自分がいる。

 

二十六番金剛頂寺の東の窟に行った時のことを話した。すると、鳥肌が立ったと言ってくれた。

 

今日は雨なので移動はせず、図書館に行こうと思っていたので、早速、「三教指帰」を調べて読んでみるそうだ。
Iさんのように、未知のことにキラキラと目を輝かせる感性を、自分もこの旅で取り戻したいものだ。

道の駅の中に鯨のミンククジラの梅が展示してあったので、写真を撮ろうと思ったらこの時間は入れず、外からガラス越しに何とか撮った。

 

 

7時40分道の駅を出発。一時的に雨は止んでいるようだ。

 

昨晩はじめて、今まで書いてきたブログをざっと読み返してみた。

なんか面白くないなぁ、と感じる。

こういうことがあった、と言う事は書いているのだが、自分はこう感じた、とか素直な気持ちをなかなか書ききれていない、と思った。

なかなか治らない心癖で、人に素直な感情を見せるのをつい避ける所を持っている。

それを変えようと旅に出ているのに、やはり心癖というのは手ごわいものだ。
どこか、体裁をつくろって書かなければいけない、という先入観に囚われているような気もする。

 

雨と霧がかかり、広い砂浜が幽玄な景色に変わっている。

こんな海の表情は初めて見る。写真で伝わるだろうか。

左手にどこまでも続く砂浜を眺めながら、松林の中を歩いていく。

 

下田の渡し、という昔ながらの遍路道の渡船の船頭さんに、今日は船の運航があるか電話で聞いてみたところ、波が出ていて今日はお休みしているとの事だった。

電話してよかった。

乗り場まで行ってから戻ると、何キロも迂回するところだった。

 

四万十川を橋で渡るコースに変更する。
公式ガイドブックの地図に、下田の渡しは天候によって運行しないことがあるので、必ず電話するように、と書いてある。これを見たお遍路は、全員電話をするのだから、この船頭さんも電話の対応で毎日大変なのではないか?と思う。

 

途中、雑草だらけの果実の木に、一つ一つ袋がつけられている。

これが無農薬栽培というものなのだろう。はじめて見た。

 

途中で、昨日一緒に歩いたKさんに会う。自然と一緒に歩く。

数年前に回った経験を聞き、足摺岬の計画の参考にさせてもらった。

途中のコンビニで、3日前に同泊したYさんと出会う。

一昨日の休憩所で会った時、外国人相手にいきなりフランス語をしゃべっていて驚いたが、Yさんは画家で、たびたびフランスに行くのでフランス語は堪能だという。

初めてのお遍路を、区切りで回っているとの事。

 

コンビニで買い物していると、またマイケルさんに会った。

今日はあまり長い距離は歩かないらしい。

四万十川に出た。

水がきれいなことで有名な四万十川だが、海に近い下流のほうはかなり河口も広く、土佐の他の川と比べても、透明度はあまり高くように思えた。

人が多く住んでいるところは、自然と川も濁ってくる。

 

四万十川からしてみれば、「そんなに期待されても、汚しているのはあなたたちなのですよ」と人間に言いたいかもしない。

いかにも趣のあるうどん店があった。しかしちょっと雨が降りそうなのと、コンビニでおにぎりも買ってしまったため素通りとする。

 

うどん屋で思い出した。

 

以前紹介したテレビ番組「水曜どうでしょう」の中で、遍路道のおいしいうどん屋を何件か紹介していた。

そのうちの1つが、高知県にあったと思い出した。

そのうどん屋に寄るために金剛福寺に行くのをキャンセルしたと言う、本当の遍路ならばあり得ないことを番組でしていたのも思い出した。

 

もしかすると、そのうどん店はこの近くかも、と思い、歩きながらスマホで検索したら、今日出発した場所の近くだった。ただ、歩き遍路のルートとは少し離れている。

店の名前は「いろりや」。

回り道をして行っても、おそらく朝8時では確実に閉まっていただろう。

他に紹介された店は香川県にもあるので、香川県に入る前に綿密にうどん屋訪問の計画を立てておこう、と決心した。

雨は降りそうで降らない。ポンチョも脱いだ。湿度が高くてとても暑い。

途中、マイケルさんはまっすぐ行ってトンネルを通過、こちらは峠道を歩くことにする。

マイケルさんは、今日は足の調子が悪いそうだ。

Kさんは先程のうどん屋に入ったようだ。

 

峠に通じる道は、車両は通行止めになっており、草が道路を占領しようとしていた。

 

標高が上がると、蒸し暑い空気の中、時折ひんやりとした爽やかな空気が流れてこんでくる。山の空気。

 

歩いているとよく考えるのだが、自分には里の空気が合うのだろうか?それとも山の空気が合っているのだろうか?

里と山、両方たくさん歩いてきた。

里の風景にも感動したり、癒されることがたくさんある。

しかし、それ以上に、山の道を歩く時は、本当に心から気持ちがやすらいで解放される気持ちになる。

どちらかというと、山の中の方がしっくりくる性格なのかもしれない。

 

雨の影響で、水が溢れて道路を横断している沢のほとりで昼食をとる。

 

うどん屋とどっちがよかっただろうか? 多少、未練は残る。

 

しばらく沢の水に足を浸す。涼しい風が窓を通り抜ける。幸い雨は上がっている。

 

やはり、山の空気が一番好きかもしれない。

岩場の道でつまずき、危うく転びかけた。が、すんでのところで転ばずに済んだ。

次の瞬間、思わず合掌して感謝した。

 

複雑な道の形状では何が起こるかわからない。

普段ならば、自分の力で体勢を保てと思うだろうが、ちょっとでも間違いで、転んで怪我をしたり、足をくじいて歩けなくなったりする可能性が大きい。そうなれば遍路旅を続けられなくなることもある。

 

オーバーでなく、一歩一歩歩くことさえ、自分の力では及ばない所で助けてもらっているということに、気が付かせてくれる。

 

 

と考えているうちに、足元に沢蟹が走り抜けた。

すぐ下に沢があるようだ。

山を下り、真念庵と言うところに参拝。昔、真念というお坊さんが三十七番と三十八番の札所の間があまりにも遠いため、中間地点のこの場所に庵を組んだことが始まりと言う。

たくさんの石仏が並んでいた。

 

 

昔は、この庵に荷物を預け、三十八番金剛福寺までの道を往復したらしい。

午後2時半頃、強い風が吹いたと思ったら、急に降り出した。急いでポンチョをつける。

その後、ものすごい雨と風の応酬が続き、 全身びしょ濡れになりながら歩き続ける。

雨が降ると、屋根がなければ休めない。

 

地図やスマホをちょっと取り出しただけでびしょびしょにしてしまう。

その大変な様子を写真に撮ろうと思ったが、この間の雨の中での酷使してスマホを壊した記憶がまだ新しく、なるべくスマホを濡らさないように出さずに歩き続けた。

ので、雨と格闘している時の写真はあまり撮れない。

 

近寄ってきた初老の男性がおせんべいを小袋に入れてくれた。お礼に納め札を渡す。

雨の日は皆さん親切だなぁ、と思いながら袋を開けたら宿の広告が入っていた。

それでもご好意として受け取っておこう。

image
ものすごい雨の中、何とか午後5時ちょうどに宿に到着。
それまで休憩できる場所が1つもなくひたすら歩き続けるしかなかった。
宿の入り口を入った途端に雷が鳴った。

朝、ゴルフ場の宿で雷を聞いてから、日中は一度も聞こえなかったが、まるで、雷の神様が、それまで守ってくれていたことを伝えてくれたように聞こえるタイミングだった。

宿の客は自分1人。ひなびた、といった表現がぴったりの宿。

 

窓からは木越しに海が見える。
夕食の時、おかみさんから料理のうんちくをずっと聞かされ続けた。少々消化不良に?
夜も雨が降り、雷が鳴り続いていた。雨が窓に当たる音と潮騒を聞きながら寝る。
明日はいよいよ足摺岬の突端、金剛福寺に参拝する。

 

あなたとお会いできることを楽しみにしています。

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