そろそろ年越しの季節です。
この時期、
ちょくちょく
頭をもたげてきやすいのが、
「劣等感」という感情です。
たとえば、
年賀状で、
ご無沙汰している人の活躍を知ったり、
久しぶりに、
親戚の幸せぶりを聞かされたり、
そのたびに、
「あの人に比べて、私なんか、、、」
「あの家はあんなに幸せそうなのに、うちは、、、」
みたいに、
つい比べてしまう。
そんな想いに囚われたことは
ないでしょうか?
ちょっとした劣等感であれば、
がんばる原動力になっても、
つよい劣等感に囚われてしまうと、
やる気を奪い、
落ち込んでしまいます。
劣等感を感じないためには、
他人と比べないで
昔の自分と比べましょう、
という言葉をよく耳にします。
たしかにそれもよいのですが、
劣等感が強い状態で
昔の自分と比べると、
昔は出来たのに
今はできないことばかりに
目が向いて、
過去の自分にまで、
劣等感を持ってしまい、
かえって逆効果です。
もし、
あなたが、
そんなやっかいな
劣等感の沼にハマっているとしたら、
すこし発想の転換をしてみるのも
いいかもしれません。
たとえば、
自分の人生を
「小説」だと考えてみるんです。
そして、あなたは小説家です。
といっても、
文章が書けなくても
ぜんぜん心配いりません。
小説家は
物語(ストーリー)の専門家です。
もし、
小説家の視点でみるとしたら、
あなたが劣等感を抱いている人は、
どんなストーリーを生きているでしょうか?
カッコいい
ヒーロー物語でしょうか?
コツコツ努力して、
成功を掴み取る
サクセスストーリーでしょうか?
それとも、
テレビの朝ドラのような、
ニコニコ笑顔のヒロイン?
その人は
あなたが劣等感を抱く人ですから、
だれの目にも止まるような
ストーリーを生きているかもしれません。
それに比べて、
自分のストーリーは、
つまらなくて、
なさけなくて、
と思っていたかもしれませんね。
でも、
そこで、です!
あなたが小説家ならば
どう考えるでしょう?
小説家にとっての
よろこびは、
自分のストーリーが
認められることです。
例えば、
芥川賞とか、ノーベル文学賞とか。
それは小説家にとって、
最高の勲章です。
そして、
そんな世界中に注目される作品の
ストーリーってどんなだと思いますか?
ハリウッド映画のようなハデなストーリーでしょうか?
ちがいますね。
ただきらびやかな
ストーリーなだけでは、
ノーベル文学賞や芥川賞には、
箸にも棒にもひっかかりません。
ちなみに、
芥川賞の全受賞作品の中で
多いストーリーは、
若者の自堕落な生活、
年老いた寂しさ、
女性の抱える孤独、
社会の矛盾で苦しむ、
だそうです。
けっこうネガティブな
題材ばかりです。
ようするに、
どんなストーリーなのか、
なんて関係なく、
そのストーリーを
どれだけ豊かに表現しているか、
それだけが
大切なんです。
人生に譬えるなら、
何を成したか、
でなく、
どう生きたかが大切、
という意味になります。
小説と人生、
どこか似ている気がしませんか?
一見、
道端の石ころのような
人生ストーリーに思えても、
表現しだいで、
すてきな物語に
変えることができるとしたら、
あなたは、
自分の原稿用紙に、
どんな小説を書くでしょうか?
小説家がものを書くことは、
あなたの得意なことに
置き換えられるかもしれません。
だれでも、
その人なりの表現方法をもっているはずですから。
あなたなりの表現方法がみつかれば、
それだけで、
あなたのストーリ―は
いくらでも輝くことができます。
周りの人も、
あなたから
真実の輝きが
放たれていることに気づくはずです。
何をするかでなく、
どう生きるか。
その気持ちで過ごせば、
人と比べることなんて、
いつのまにか忘れているかもしれませんよ。