「どうしたらいいかわからないです」
「もう八方ふさがりです」
セラピーセッションで
そうこぼす方がいます。
そういう方に
いつも伝えることがあります。
それは、
人はだれでも
ある『特権』を与えられている
ということ。
その「特権」とは
『選ぶ権利』です。
もったいないことに
この権利を放棄している人が
とても多いのです。
たとえば、
こうすれば自分は変われる、
こう考えればラクに生きられる、
というやり方はわかっているけど
まったく身に付かない…。
それは、
ただ「知っている」だけで
「選択していない」のです。
自分自身のことなのに
「世の中の常識はこうだから」
「みんながそうしているから」
と流されてしまう…。
それも選択を
あきらめているのです。
自信がない時や
自分を否定している時ほど
みずから
選択の幅を狭めてしまいます。
そして、いつのまにか
いちばん消極的で、
変化が起きない方を
「一択」する習慣が
ついてしまいます。
でも
考えてみてほしいのです。
物ごとって
どちらが先でしょうか?
正解だと思うから
選ぶのか?
それとも
選んだから
それが正解になるのか?
クイズの2択問題ならば
前者かもしれませんが、
自分の生き方を選ぶ、とか
これからの人生を考える、とかの
大切なことについては、
私は後者だと思っています。
選択すると決心が固まりますが、
同時に責任も生まれます。
なので
「間違えたらどうしよう」
「正解はどっちだろう」と
つい戸惑ってしまうのは
ムリありません。
でも、
たんに正解を探す努力より、
選択したことを
自分にとっての正解に近づける努力の方が
ずっと価値があるように思うのです。
正解に近づける過程で
自信が生まれたり、
自分の強みを見つけて、
後からふりかえった時に
その過程そのものが
「宝物」なんだと気づけると
思うのです。
と、ここまで
カッコよく書きましたが、
その一方で、
いろんな人の
悩みごとを聞くたびに
確信することがあります。
それは
「人生には選択したことしか起こらない」
ということ。
そう書くと
「こんなつらい経験を
自分で選ぶワケないよ!」
とか、
「さっき、ほとんどの人が
選択してないと言ったじゃないか!」
とツッコまれそうな気がします。
それはごもっともです。
ただ、
ここで私がいう「選択」とは
「無意識の選択」です。
たとえば
「ここから逃げ出したい」
という想いが、
いつのまにか
心と身体にブレーキをかけて
心の悩みや身体の症状を作り出したり、
親しいだれかに傷つけられた
記憶を持つ人が
気がつけば、だれからも
孤立することを選んでいたり、
自分を守る防衛本能が
過剰に働いて、
気づかぬうちに
自分が不幸になる選択を
してしまうのです。
正確にいうと、
これは無意識が
選んでいるのではありません。
さざ波が打ち寄せるたびに
大きな岩が少しずつ削れていくように、
日常のマイナス思考の繰り返しが
徐々に無意識に染み込んでいって、
そのマイナス思考のパターンを
オートマチックに
再現しているだけなのです。
私たちが
「もう選択の余地がない」と
考える時、
じつは
この無意識の選択パターンによって
そう思い込んでしまっていることが
多いのです。
この思い込みから
抜け出すためには、
「自分から選択することで全ては始まる」
ということを
自覚することが必要なんです。
「選択」のチカラで
未来の自分はどのようにも
変えていけます。
逆に
何気ないマイナスの思考グセを
そのままにしていると、
無意識のチカラで
いつのまにか人生の軌道が
変わってしまう、ということも
あるのです。
どうでしょう。
あなたは
「選択の権利」を
使いこなせていますか?
もし
その自信がないようならば、
まずは
「無意識の選択パターン」を
心の専属トレーナーといっしょに
見つけることから始めてみませんか?