いきなりカミングアウトします。
じつは、
私はセラピーセッションで、
お客様の話をあまり聞いていません。
と言ったら、
すでにセラピーセッションを受けた方は、
「親身になって聞いてくれていると思ってたのに!」と、怒り出すかもしれません。
とはいえ、
もちろん、
お話を聴きながら会話もしていますし、
言われたことは記憶しています。
しかし、
それは表面上のこと。
じつは、
私が本当に注目しているのは、
話しの内容そのものではないんです。
注目しているのは、
「その人がどっちを向いているか」
ということです。
窓の方を向いてるとか、
ズームのカメラの方を向いてるとか、
そういう意味ではありません。
その人の
「意識」が、
どちらに向いているか、
ということです。
たとえば、
「人前で緊張してしゃべれないんです」と
おっしゃっていたら、
「ふんふん、そうですか~」
と受け答えをしていても、
「どうすればしゃべれるか」
とは、あまり考えていません。
そうではなく、
「この人は今、人前でしゃべれない自分に
に意識が向いているんだな」と認識して、
どうやって、
人前でしゃべれる自分を認めるように
意識を向けられるか、ということを
一生けんめい考えます。
なぜかというと、
意識が「できない自分」に
向いているか、
それとも、
「どうやったらできるようになるか」
に向いているかのちがいで、
その後の変化がまるで違うからです。
いったん意識の向きが変われば、
その方は自分の力で勝手に
変容していきます。
それは経験上、ほぼ100%の確率です。
でも、なぜ、
意識の向きを変えるだけで、
その人に変化が起こるんでしょうか?
それは、
だれでもが、
自分を癒して、
自分を変容させて、
自分を成長させる力
を備えているからです。
セラピストは、
目の前にいる方に、
心と身体から湧き出る力が
備わっていることを前提として
セッションを行います。
そして、
意識の向きが湧き出る力の流れの方に
うまく乗るように最善をつくします。
川の流れと違う方へ
舟をこぐのは大変ですが、
流れにうまく乗れば、
じっとしていても、
流れが目的地へと運んでくれます。
なので、
その人の意識が
生命力の流れにピタッと合えば、
それだけで
自然と変容が始まるわけです。
ただ、
自信を失っている時や
何やってもうまくいかない時は
自分の力を信じる気持ちをなかなか持てないものですよね。
それは、
なぜかというと、
心は、
一度定着したセルフイメージを、
保とうとする働きがあるからです。
「私は○○ができない」と
何度も思っていると、
意識に定着していきます。
じつは、この働きは
人間の生存本能から来ているとので、
けっこう手強いのです。
自信のない人にとって、
「自分の力を信じる」ことは、
「できない」を「できる」に変える
思いきった変化です。
その変化を、
私たちが原始時代の祖先から受け継いだ、
「生き残る確率が高いからじっとしていよう」という、
生存本能がジャマをするんです。
それがよいことであっても、
変化をきらうあまり、
「うまくできっこないよ」とか
「失敗したらはずかしいよ」とか、
目の前にいろんなデメリットをちらつかせて、あきらめさせようと説得します。
でも、
そうやって意識を変えるのを先延ばしにしているうちに
人生の残り時間は
どんどん少なくなっていきます。
私もセラピストとして起業した頃、
「自分はうまくいかない」
「何をやっても反応がない」
と、できない自分にばかり
意識を向けていた時期がありました。
でも、
この心の仕組みを知っていましたので、
このセルフイメージは罠だ、
ということがわかっていました。
なので、
意識が自己否定に向いている時は、
「これはトリックだ!だまされないぞ!」
といつも心の中で叫んでいました。
今から思えば、
荒っぽいやり方ですが。。
「○○ができない」と思い込んでしまうのは、
生存本能が「あなたのため」に、
必死にあなたを守ろうとしているだけ、とも言えるんです。
そんな、けなげな働きを
やさしく認めてあげたうえで、
さらに、
「自分から湧き出てくる力を信じること」
も大切ではないか、と思う、
この頃です。
もし、
セッションでお会いできる機会があったら、
真剣に聴いているフリをしているセラピストに
「ぼ~っと聴いてんじゃねえよ!」
とチコちゃん調で、タンカを切ってみてはどうでしょうか?
「ハッ」としてたじろぐこと、ウケあいです。