・世の中、効率化を求めている
昨今、なんでも便利に、スマートに、効率よく、という風潮があります。
そして、その効率化に欠かせないのが『段取り』です。
段取りしておけば、失敗しない、労力を省ける、たしかにそうです。
段取りの良さが、評価されるのも事実です。
たしかに、グループや組織の中で、あざやかに段取りを仕切っている人は目立ちます。
デキる人、という印象を周囲に与えるかもしれません。
ただ、『段取り志向』があまりにも高じると、副作用も見えてこないでしょうか?
複雑な段取りが原因で、かえって策におぼれる、ということもありえるのです。
また、段取りから外れるような斬新な発想がはじかれてしまう、という弊害も起こりがちです。
「段取り上手」を人知れず自負している方は、少し手を止めて、何のための段取りなのか、ふりかえってみるといいでしょう。
大げさな段取りをやめてシンプル、ストレートでいった方が、意外にすんなりと事が運んだ、ということもあるかもしれません。
「段取り」の奥に不安あり
中には、「段取りが得意なわけじゃないけれど、前もって用意しないと不安でしようがない」という方もいらっしゃいます。
さて、その不安の正体は何だと思いますか?
それは『自分がやる』という意識ではないでしょうか。
自分だけでやらなくてはいけないから不安、
自分の思い通りにならないのが不安、
他のやり方を知らないから不安、、、。
おもしろいことに、みずからすすんで段取りしたい人も、本当はしたくない人も、不安の中身は一緒のようです。
共通しているのは、自分以外の存在が目に入らない状態である、ということです。
その状態になると、まわりは協力したくても、できなくなります。
これでは余計に苦労を強いられて、ストレスも増えてしまいますね。
あの人が好かれる理由は、、
ちょっと話がそれますが、あなたの近くに、目立つタイプでも、ヤリ手タイプでもないのに、何となく周囲から好かれている人はいませんか?
私の方ががんばっているはずなのに、なんで?と思ったことはないでしょうか?
じつは、人に好かれるには、その人がどんな人であるか、という点以上に大事なポイントがあるのです。
それは、周りの人を信頼しているかどうか、という点です。
相手を信頼する気持ちは、すぐに伝わります。あなたにも覚えがあるはずです。
じつは、これが「段取り不安」の対極にある感情なのです。
あなたは今、「自分がやらなければ」とか、「だれも協力してくれない」と思っているでしょうか?
もしそうならば、今の状況や周りの人にフォーカスして、感謝の気持ちを膨らませてみてください。そこから、信頼する気持ちが生まれます。
そして、状況が許す範囲いいので、今よりも多くを頼ってみましょう。
人間はだれでも信頼されるとうれしくなります。
そうすると、人の動きや物ごとが、自然と建設的に動き出して、あなたをとりまく状況がよい方向に変わっていくかもしれません。
もしうまくいけば、これがもっとも効率のいい『段取り』と言えるかもしれませんね。
おわり